今日の一言 6月10日 寛容と不寛容
- 公開日
- 2025/06/10
- 更新日
- 2025/06/11
校長雑感 一隅を照らす
卒業生の大学生が学校に遊びに来ました。ひとしきり思い出話に花を咲かせた後、こんな質問をしてきました。
「どうも最近のニュースが暗くてかないません。SNSでもTVでも攻撃的な物言いや
『論破!』とか言って、分かり合うことより、勝ち負けを争っているような場面が目立っているように思います。」
『息苦しいですね。何がいけないんでしょうか?!何が必要だと思いますか?」
私も、最近どんどん息苦しさが増してきたように感じていました。こんなお話をしました。
「欠けているのは、寛容ではないでしょうか。」「寛容には、想像力が必要です。」
「自分の持っている想像力では、理解できないことがある・・・という想像力です。」
ずいぶん前に読んだ、渡辺一夫というエッセイストが著した「狂気について(岩波文庫)」というエッセイから影響を受けていました。多分こんな内容だったと記憶しています。
人類の歴史はある意味で寛容と不寛容との争いの歴史だ。
寛容と不寛容は歴史の中で多くの場合、不寛容が勝ってきた。
なぜなら
不寛容の方が、寛容よりはるかに攻撃的であるからだ。
寛容は防衛的で、不寛容は攻撃的である。
恐ろしいのは、寛容と不寛容の歴史の中で、寛容が不寛容と戦う中で、
寛容が自ら不寛容になっていくことである。
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私の回答をどのように受けとめてくれたでしょうか。
皆さんはどう思われますか?