大阪・関西万博閉幕にあたって思うこと
- 公開日
- 2025/12/05
- 更新日
- 2025/12/05
校長室より
9月29日の朝礼で,「気温が30度を超えると~真夏日~と言うのだけど,今年は今日まで何日真夏日があった思いますか?」と問いかけをしたところ,2年生から6年生までの児童数人が手を挙げてくれ,2年生が「100日!」と元気な声で発表してくれました。情報をきちんと掴んでいるのか,気候に興味があるか分かりませんが,関心を持って過ごしてくれている多くの児童の学びに感謝です。私が小学校時代に覚えた夏についての知識は,夏至から秋分であり,おおよそ95日間でした。(後から知ったのですがこの考えは天文学的定義というそうです)気象庁の予報分類では,6・7・8の3か月とされてますから92日でしょうか。正確な言い方ではありませんが,ほぼ毎日大阪は真夏日であった今年といえるでしょう。 私が40年前北海道札幌市に住んでいた頃,北海道内の家電量販店にはエアコンは売っていなく(どうしても設置したい家庭は青森県から電気屋さんを呼んでいました),扇風機が数台ある程度。要は,札幌は冷房器具は家庭には不要で,自然の風で充分夏を過ごせたのです。その状況がここ数年大きく変わり冷房は飛ぶように売れ多くの家庭に冷房が整っているようです。20世紀の始まりと比較すると夏の平均気温は大阪で4度,札幌で2.2度上昇しているそうです。「地球温暖化」から「地球沸騰化」の時代に正に突入したのです。 あと十数日で大阪・関西万博が閉幕しますが,本校は,まだ空いていた5月に全校で来場し多くの児童が感動と驚きを感じていました。万博のテーマは,「いのち輝く未来社会のデザイン」で,人間の命が輝くためには人間が住む環境を整えることが大前提で,しかも国単位でなく地球規模で一人ひとりが考え行動することが重要というメッセージを発信しているパビリオンが多くありました。一方AIやIoTを代表する未来社会の最先端を創造するパビリオンもある中で,私は,「自然との共生と科学の進歩」一見反するように聞こえるこの言葉は,これからの時代に表裏一体でどちらもバランスよく尊重していかねばならないと思いながら,我が国,しかも大阪で行われた万博を振りかえっている昨今です。