堺市立三国丘中学校

今日の一言 8月31日 嘘をついてはダメ?(5)形而上?形而下?

公開日
2023/09/04
更新日
2023/09/05

校長雑感 一隅を照らす

価値観の多様化・・よく耳にする言葉ですが、「多様化」から巻き起こる「混乱」に翻弄されているような気がするのは私だけなのでしょうか?・・・・

とはいうものの、どこまでを普遍的な道徳律とし、どこから多様化として受け入れればいいのでしょうか。
カントは、形而上学と形而下学の区別を応用することで解決を試みました。

形而上学・・・純粋に理性的な存在者が理想の原理・原則を創造する観念の場であり、そこにおいては、道徳法則は「絶対義務」です。

形而下学・・・感性的な幸福欲求も持った存在者が理想と現実の折り合いをつけようとする実践の場です。ここでは、個々の場合に応じて、道徳法則は、「絶対義務」から「努力義務」に緩められます。

すなわち、「嘘をついていい場合もある!」と言うのです。
状況を踏まえた自分の判断が許され、後から理想に少しでも近づくように努力をしていこう!と・・・・。実践論の核心!
(引用:月刊誌 致知 9月号)

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道徳律に沿って絶対的に行動する生き方は、単純で容易に思えました。迷いはありません。なんかすっきりした気分でした。
でも、そう簡単ではなさそうです。結局、観念の世界ではなく、現実の世界での実践となると迷い道にふらふらしてしまいます。

(つづく)

写真:バスケット部の練習風景です。みんな頑張ってますね。