堺市立三国丘中学校

第77回 卒業証書授与式 PTA会長 ご祝辞

公開日
2026/03/14
更新日
2026/03/14

学校行事

卒業生の皆さん、この度はご卒業おめでとうございます。

ご紹介賜りました、三国丘中学校PTA会長のふちがみ猛志です。


1年ほど前のことです。ある中学校で、学校と保護者の間でトラブルが起こり、その保護者は「悪いのは学校だ」と謝罪を求めたんですが、その学校の校長先生は「学校が悪いわけではないから、謝罪などできない」と拒否され、そのトラブルがずいぶんと長期化していました。そして、その間に挟まれるように、子どもが長く苦しんでいたんです。

私はこの話を聞いて、ふと吉岡校長先生に「どう思いますか?」と訊いたところ、吉岡校長は「僕ならすぐにあやまっちゃいますね」と即答されました。校長としてのメンツや立場もあるでしょうに。そして続けざまに「子どもが苦しんでいるんでしょ。子どものためになるんだったら、なんだってできますよ」とあっさり言ってのけたのです。


こんな話を突然にしましたのは、この3月をもって退任される吉岡校長へのはなむけでもあるんですが、何より、卒業生の皆さんに、「子どものためなら、皆さんのためなら、なんだってできる」、堂々と言える大人が、皆さんのすぐそばにいたということ、そしてこれからもきっと、いや必ずいるということを、知ってもらいたかったからです。

吉岡校長だけではありません。少なからぬ先生方がそう思ってくださっていたはずです。そんな3年間だったんです。小学校の時も、保育園や幼稚園にいた時も、皆さんの周りには、必ずそんな大人がいたはずです。いたから、今があるんです。


生まれたての赤ちゃんを抱っこしたことはありますか。生まれたての赤ちゃんって、本当に小さくて、かわいくて、でも一人では何もできないし、扱い方を間違えるとつぶれてしまいそうな、弱弱しい存在です。抱っこする機会があっても、怖くてできなかった人もいるかもしれませんね。15年前、まさにそんな弱弱しい皆さんをこの手に抱え、「この子のためなら、何だってできる」と心に誓ったのが、後ろにいる、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、保護者の一人ひとりです。


節目節目で、その思いを確認しながらの15年だったはずです。

初めて「ママ、パパ」と呼んでくれた時、自分の足で歩いた時、登園時の別れに泣いた時、急に熱を出して園に迎えに行った時、ランドセルを背負った時、友達とケンカした時、学校に行きたくないと駄々をこねた時、テストの点数に喜んだ時、落ち込んだ時、ぶかぶかの中学校の制服に袖を通した時、部活動に打ち込んで達成感を得た時、いつの間にこんなに大きくなったんだろうと驚いた時、将来の進路に悩んだ時、そして今日、門出に立つ我が子を見ているこの瞬間。

皆さんがくれる人生の彩り、喜怒哀楽、その都度、私たち保護者は「この子のためならなんだって」という思いを確認しながら、15 年間、歩いてきました。

「なんだって」の内容や、そこでできること、できたことは違うかもしれないけど、「この子のためなら」の想い自体は、みんな同じはずです。


皆さんは、これまでも、これからも愛される存在です。

中学校を出れば、自分で考え、自分で判断し、自分で行動しなければならないことが一気に増えるでしょう。その分、成功した時の喜びは倍だけど、失敗した時の落ち込みも倍になってしまうかもしれません。打ちひしがれる時もあるでしょう。それが人生です。

でも、その時も、自分が「愛される存在」であること、『あなたのためならなんだってできる』という大人、家族、仲間、誰かがいるということを、絶対に忘れないでください。そしてそれを、立ち上がる力に、前を向く勇気に、時に、「休んでいたっていいんだ」という安心に変えてください。


私自身が皆さん全員に「皆さんのためならなんだってできるよ」と言ってしまうと、ちょっと恰好つけすぎですけど、「皆さんのためなら、一肌、二肌くらいは脱ぎたい」それくらいのことは思っている地域のおっちゃんです。そして、そんなおっちゃん、おばちゃんがたくさんいる三国丘中学校区ですから、この地域を離れたとしても、帰りたくなったら、いつでも安心して帰ってきてください。

三国丘中学校の先生方、本当にありがとうございました。時に、私たち保護者の「この子のためなら」の想いが余って、困らせてしまったこともあったかもしれません。そんなご苦労も乗り越え、我が子らのためにご尽力くださったこと、今日この日まで伴走してくださったこと、心から感謝申し上げます。これからも三国の子どもたちをよろしくお願いします。

保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、本当におめでとうございます。「この子のためなら」と頑張りつづけて15年あまり。まだその思いと努力は続きます。一生続くことでしょう。でも今日は、「義務教育を修了させる」という大きなマイルストーンに到達できたんです。よくやったよと、今日ばかりは「この子のためなら」をちょっと脇に置いて、自分のために、努力してきた仲間同士、拍手を送り合いましょう。ぜひ、お隣同士、前後ろにと、拍手してください。


ぜひ明日からも、我が子はもちろん、どの子どものためでも一肌脱げる、0.5肌でも構いません。そんな地域のよきおっちゃん、おばちゃんとして、私たちPTAの活動に、三国丘中学校にご協力頂けたら幸いです。

最後に卒業生の皆さん、改めて、本当に本当に、おめでとう!「愛されている」という自信をもって、それぞれの新しい世界へ、いってらっしゃい!


2026年1月13日 三国丘中学校PTA会長 ふちがみ猛志