今日の一言 5月27日 音楽とともに
- 公開日
- 2025/05/28
- 更新日
- 2025/05/28
校長雑感 一隅を照らす
土曜日・日曜日に学校にいることがあります。先生たちがいない時間、校長室には音楽が流れています。遠く離れた日本でも、ドイツやイギリスなどヨーロッパのクラシック専門のラジオ放送の受信ができることを、数年前に知りました。時差は7・8時間。大阪は朝ですが、放送では「今晩のプログラムは・・・」と言ったり、お昼過ぎに聴くときは、「おはようございます。今日はいい天気になりそうです・・・」と言ったりしています。
ちょっとした、旅行気分を味わことができます。家族がまだドイツにいるので、彼らのことを考えたりもします。不思議な気分です。
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私は中学生のときに音楽が好きになりました。強烈な出会いがあったのは、、中学校2年生、ウイーンフィルの来日公演(1975年)です。テレビから流れる、NHKの夕方の天気予報。その後に突然、聴いたことがない音楽が聞こえ始めました。「今日、ウィーン・フィルの来日公演のため、名指揮者カール・ベームが来日しました」というアナウンスとともに流れていた音楽は、ブラームスの交響曲1番の3楽章です。今でも、はっきりと覚えています。
そのころ、風邪をこじらせ、ひどい熱が出て、何日も学校を休んで寝こんでいました。枕元には、ラジカセ。実況放送の録音を繰り返し聞きました。音楽の授業以外で聴いた、初めての本物の演奏に衝撃を受けて、音楽のとりこになった瞬間でした。来日公演で演奏されたシューベルトの交響曲5番。モーツアルトの後期交響曲、フルート協奏曲。ヴェルディの運命の力序曲。憑りつかれたように聴きました。これらの曲を聴くと、音だけではなく、聞いていた時の映像や感情まで思い出します。繰り返し聞いた当時の曲は「風邪で寝ている時の布団からの部屋の様子」とともに思い出されるのです。不思議な感覚です。
それからというもの、想い出には、映像といっしょに音楽が・・・、音楽には映像が・・・、ついてくるようになりました。私の音楽がともにある生活が始まります。
美しいものに囲まれていきたいと思い始めたのもこのころだと思います。皆さんはいかがでしょうか?
(写真 ブラームス)
※中教研 音楽部会を終えて、音楽の出会いについて考える