堺市立三国丘中学校

今日の一言 5月31日 代表的日本人 二宮尊徳

公開日
2024/05/31
更新日
2024/05/31

校長雑感 一隅を照らす

自分ひとりのわずかな知識や経験などで、理想の人物を創り上げることは至難の業です。

やはり、伝記や歴史書、ドキュメンタリーなどから、先人の生き様を学び、理想の人物像を探し当て、そのままに模倣してみること、習うこと、実践してみることは、有意義な人生を送るための近道であるように思います。

内村鑑三の「代表的日本人」に登場する人物は、正に理想の人物が列挙されています。
二宮尊徳は、私が理想とする人物の一人です。
人のために、誠を尽くし、勤勉で、丁寧に生きる。
万分の一でも見習いたいと思います。

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勤勉であり、誠実であれば、誰でも独立自尊に至るという信念があった。
「この世のすべては絶えず活動しています。私たちを取り巻く万物の成長発展は、限りがありません。この永遠の成長発展の法則に従って、休むことさえしなければ、貧困はたとえ。望んだとしても訪れはしません。」

不実な人間を、尊徳は、森羅万象の法則に反していると考えていた。尊徳は、先ず彼らを「天の理」に従わせようとした。
「キュウリを植えたのなら、キュウリとは別のものを収穫できると思ってはいけません。人は自分が植えたものを収穫するのです」

「誠実であって初めて、禍を福に変えることができるのです。術策は役に立ちません」

「一人の人間は、宇宙では途方もなく小さな存在です。でも誠意があれば天地だって動かすことができるのです」

「結果がどうであろうと、やるべきことはやらなくてはいけません」
引用:内村鑑三「代表的日本人」

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幼名・二宮金次郎。薪を背負いながら本を読む姿は、あまりにも有名です。
この話はどこから来たのでしょうか。


16歳の時、二人の弟とともに親を亡くした。彼は叔父の世話になった。懸命に働いたが、一人前の大人には及ばなかった。その頃、彼の胸にある思いが宿った。学のない、字の読めない人間になりたくない。いにしえの賢人の教えを読みたくて、孔子の『大学』を手に入れ、仕事を全部終えた深夜に読んでいたが、叔父がそれを知って激しく咎めた。何の役にも立たない学問のために、大切な油を使うなと・・。彼は納得し、次の年、自分で畑を耕し、菜種を栽培し、それを油と交換した。得意満面で深夜の読書を再開したがそれでも、叔父は許さなかった。いくらお前の時間でもここで養ってもらっている以上は私に使える身である。やはり読書は許されなかった。
そこで彼は、仕事で通う野山の行き帰りに書物を手にした。そうです、薪を背負いながら、歩きながら本を読んだのです。
二宮金次郎(尊徳)は、忍耐強さ、勤勉さ、そして信念の人だったのです。