堺市立三国丘中学校

今日の一言 11月14日 働き方改革 5 Sachlich

公開日
2023/11/14
更新日
2023/11/15

校長雑感 一隅を照らす

ドイツの社会では、個人的な感情をできるだけ排除しようとしているように思えます。

出来うる限り、事実を客観的に捉えるようとします。偏見を嫌います。
他者に深入りせず、距離感を取ろうとします。
突き放されたような感覚を持つことがあります。


ドイツに住み始めて、かなり早い時期に覚えた単語・文章があります。

sachlich  客観的に、即物的に
Vorurteil 偏見、先入観
Es ist deine Sache! 「それはあんたの問題だ(私に関わりはない)」

一度に連続して聞かされた覚えがあります。

・・・
多分、最初にハンブルグの外人局で住民登録やビザの申請の手続きをしたり、音楽学校の入学手続きをしたときのことかもしれません。

手続きがうまく行かなかったときに、事実を客観的に説明しなかったり、感情的に自分の事情を話そうとしたり、差別されていると勝手に思い込んだり・・・
そんな時に、担当者から言われたことばだったのでしょうか。

明文化されたうえに、出来うる限り行間に推測が入り込まないような条例、規則、法律。
かれらは、そのような土台の上で仕事をしているのです。


窓口の担当者はこう言いました。

「私は個人的に仕事しているのではない。あなたも個人的に受け止めないでほしい。」

 Nehmen Sie bitte das nicht persönlich!
 (個人的にうけとらないでください)

いったい、このフレーズを
ドイツで何回きいたことでしょうか?

・・・

配慮するとか、気遣うとか、個人的な問題を解決しようとか・・
それは、ある職責のひとにとっては、絶対に立ち入ってはいけない
個人的な領域なのです。

・・・

病気で欠勤するときに発行される黄色い紙を
Gelbezettel(ゲルべツェッテル)と言います。
この紙は、強力な威力を持っています。