3月17日(金)に実施した卒業式の式辞の内容をまとめました。
卒業生は保護者、ご来賓の方々に見守られ、立派に巣立っていきました。
ありがとうございました。
前文略
さて、卒業生の皆さん あらためて「卒業おめでとう!」
先ほどは、マスクを外した素顔の君たち一人一人に卒業証書を手渡すことができました。君たちは本当に凛々しく、その姿は輝いて,眩しい限りでした。
壇上での立派な返事や所作は,きっと,本日ご参列の保護者の皆様やご来賓の皆様、そして担任の倉元先生の心の奥にまで届いたものと思います。
改めて振り返ると、君たちは小学校生活の、実に半分をコロナ禍で過ごしたことになります。
誰もが経験したことのないパンデミックの中、この3年間は、いろんな行事が中止や見直しとなってしまいました。君たちの成長した姿を存分に発揮させてあげられる場を提供できなくて本当に申し訳ない思いでいっぱいです。
そんな突然の学校生活の変化にも君たちは柔軟に対応し、耐えるべき所は耐え、今できることを精一杯頑張ってきました。そのことがクラスの絆を一層強めたようにも思います。
そんな君たちとの一番の思い出は何かと問われれば、例えば、君たち全員が文集に取りあげた修学旅行、他にも、臨海学校や、校外学習、運動会、またワイワイ活動や合唱団をあげたお友達もいました。これらはもちろん私にとってもどれも楽しい思い出で一杯です。でも今、あえてひとつ挙げるとすると、それは「普段の君たちとの毎日」です。授業での何気ないやりとり、休み時間の君たちの様子など、当たり前のように過ごしてきた日常の毎日こそが、今振り返ると宝物のような日々であったように思います。本当に幸せな時間というのは、その時は気づきにくいことがよくあります。君たちと過ごした毎日こそがきっとそうだったんだと今は強く思っています。
そういえば時々図工の授業のお手伝いもさせていただきましたね。鑑賞の話、色彩の話、ピクトグラムも作りました。覚えていますか?
みんなが温厚で優しく、仲よくまとまった本当にいいクラスでした。そして課題が出た時には次の機会にきっちりと修正してくる素直さも何度もほめてきたところです。これはクラスのモットーである「越えて」を通して積み上げてきた力ですね。
さて、最後に一つ君たちにはなむけの言葉を送りたいと思います。
これから君たちが生きていく未来は、AIなどの先端技術が高度化し社会の変化が複雑で予測困難な時代になると言われています。
例えば計算をするのに電卓を使うことはだれも驚きません。でも、作文や感想文、テストの回答などが電卓を扱うように簡単にできてしまうとなればどうでしょう、
また、絵や音楽の制作であっても同様に自分のイメージに合う単語を入力するだけで簡単に作品が出来上がります。そんな時代がもうすでに来ています。
このような状況の中で大事なのは、学習において結果だけを重視するのではなく、その過程(プロセス)を大切にすることです。そのためには、何をどう学んだのか、そこでどんな力が身についたのか、そしてその力をどう使いこなすのかを意識することが重要です。AIはそのための便利なツールとして認識し、活用してもらいたいと思います。
今、将棋界で次々に最年少記録を塗り替える20歳の藤井聡太五冠は早くからAIを活用することで自分の能力を高めてきたことは有名な話です。
ぜひ君たちも自らの力で、このような新しい時代の変化を乗り越え、豊かな人生を切り開いていってほしいと願っています。君たちならきっとできると信じています。
後文略
令和5年3月17日
堺市立美原西小学校 校長 田中圭一