18日に実施しました第43回卒業式の式辞の内容をまとめました。
卒業生の皆様「ご卒業本当におめでとうございます!」
前文略
さて、卒業生の皆さん あらためて「卒業おめでとう!」
先ほどは、君たち一人一人と目を合わせながら卒業証書を手渡すことができました。君たちは本当に凛々しく、その姿は輝いて,眩しい限りでした。
壇上での立派な返事や所作は,きっと,本日ご参列の保護者の皆様やご来賓の皆様、そして担任の高橋先生の心の奥にまで届いたものと思います。
改めて振り返ると、君たちとは三年生からの付き合いですが、思い出はたっぷりです。当時の教室は校長室と一番近いこともあって、今では当たり前になりましたが、テレビ朝礼の映像チェックのためによくお邪魔しましたね。いつも「ちゃんと映ってたよ」と、優しく返してくれるのがお約束でした。また、なぜか休み時間に校長室前廊下で漫才の練習をするのも流行っていましたね。
四年生では、図工の授業によくお手伝いさせていただきました。みんな創意工夫にあふれ、傑作がたくさん生まれました。「画伯」とあだ名をつけさせていただいたお友達もいるくらいです。
五年生では、一緒に宿泊学習に行きました。山頂から見た曽爾高原の景色は今も忘れられません。夜の火の神様の寸劇も楽しい思い出です。
そして六年生。4年ぶりの連合運動会では3000人の同級生を前に、堂々と渡り合い、たくさんの入賞を果たしました。修学旅行では楽しいバスレクに始まり、宗陶苑での焼きものづくり、鳥羽水族館でのアシカショー、素敵なホテルとおいしいバイキング、仲間との夜の会話、そしてパルケエスパーニャを目いっぱい満喫しました。
こうして振り返るとどこを切り取っても楽しい思い出ばかりですが、実は君たちは小学校生活の半分近くにわたり、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けたことになります。いろんなことが中止になったり、自粛したりすることがありましたが、持ち前の明るさと笑顔、そして仲間たちとの絆の強さで乗り越えてきました。その姿はまさに学級目標の「スマイルチャレンジャー」でした。
さて、最後に一つ君たちにはなむけの言葉を送りたいと思います。
それは「夢中」です。
これから君たちが生きていく未来は、急速な社会の変化にともない。予測が困難な時代となるなど、厳しい挑戦の時代を迎えると言われています。
昨年度、国の経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」には、これからの時代に必要となる具体的な能力やスキルのひとつに、「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」が挙げられています。
つまり、夢をもち続けその実現にむけて努力していくということが大切だという事です。
わかりやすいお手本がおなじみ大谷翔平選手です。彼は野球を始めたのは小学2年生の時、友だちから誘われたのがきっかけでした。
それから野球一筋、その後の活躍は言うまでもありませんが、彼が大リーグ挑戦の直前に「夢を叶えるために必要なことはなんでしょうか?」と聞かれた際に次のように答えています。「僕の夢はまだ叶っていないので、大きなことは言えないのですが、目標やイメージを持つことがとても重要なのではないでしょうか。」さらに「具体的な目標を立てるのが難しければ、まずは『こんな選手になりたい』とイメージするだけでも良いと思います。なぜなら、自分自身、『もっと速いボールを投げたい』、『もっと遠くにボールを飛ばしたい』と小学生の頃に思い描いたシンプルなイメージが、現在の『二刀流』というスタイルに繋がっていると感じるからです。」と答えています。また、彼が高校の時にたてた具体的な目標達成シートには、「人生が夢をつくるんじゃない! 夢が人生をつくるんだ!!」とも書かれています。
先日このみなさんの卒業文集を読ませていただきました。10年後の私・僕からは、野球をしている、バスケの選手、食べ物のお店で働いている、絵を描いている等々、すでにそこからもいろんな夢が伝わってきました。
今、夢がある人はもちろん、これから夢を見つけ、追いかける人も、どうか「夢中」になってほしいと思います。そしてそれを手放さず、夢の実現にチャレンジし、それぞれの世界に羽ばたいていってほしいと心から願っています。
それでももし、苦しい時や立ち止まった時はこの美原西小学校のことを思い出してください。共に学び、遊んだ仲間や後輩たち、ならびに先生方、そしてなにより毎日あたたかな愛情をたっぷりと注いでくれた 愛する家族との思い出が君たちを支えてくれるはずです。
どうか自信をもって中学校へ進んでください。
これからもずっとわれわれは応援しています。
令和6年3月18日
堺市立美原西小学校 校長 田中圭一