テレビ朝会でお話ししたことを紹介します。

暑くなってきて，「夏が来たな」という感じになってきました。
夏が来れば，あることを思い出します。
私は，もう４０年くらい前になりますが,あるスポーツをしていました。
なかなか勝つことができなかったので，誰にも取れないような球を確実に打てるようになると勝てるのではないかと考えました。
スピードがあって，高さがあって，斜め右から左方向にカーブのかかった魔球のようなショットが打てるように,その練習ばかりをしていました。
でも同じチームの人に注意をされました。
「楽には勝てんぞ。決め球は，他の球がきちんと打てた上で効いてくる。相手の威力のあるボールにも対応できるようにしないと，相手に先に攻撃されないために深いところにボールをきっちり運べるようにならないといけない。ミドルにも打ったり，クロスにしぼったりする球があって，それがあって，お前の決め球が生きてくるんや」
と言われました。
彼の口癖で，よく言っていたことが，
「『基礎基本』が身に付く練習をしっかりやっておかないと勝てんのや」でした。
基礎基本というのはどんなことかわかりますか。
「基礎」「基本」それぞれの意味があります。
「基礎」というのは，建物の「基礎」という言葉からきています。
建物を建てるときに必要なもので，「土台」です。
「基本」というのは，物事の「軸」となるもののことです。
それは「基礎」の上にあるものです。
運動の基礎になるものは体力があげられます。
体力は運動の基本になっていて、体力がないと運動はできません。
体力というのは，筋力，持久力，柔軟性，バランス能力，巧緻性，敏捷性などを言います。
運動の基本は色々ありますが，例えば野球だったらボールを投げる動作（投げる型）やバットを振る動作（振る型）などになります。これは基本動作と呼ばれます。基本動作は運動の「軸」になっていて，さまざまに発展・応用させることができます。ボールを投げる動作ではボールの握り方を変えるという応用をすることで，変化球を投げることができます。また，バットを振る動作は人によってさまざまなスタイルがあります。
これも基本の応用の1つの形と言うことができるでしょう。
勉強で言うと，「基礎」は，算数でいうと足し算，割り算，掛け算，割り算，国語では，文章を読むこと，字を書くこと，漢字の読み書きがそれにあたり，書いていること話していることを理解したり，活用したりすることが「基本」になります。
「基礎」「基本」は，どんなことにも，よりよいもの，上をめざすとき，自分を高めていくには必要なものです。
計算練習や漢字練習をすることがつまらない，もうわかっているから，と思うかもしれませんが，とても大切なものだと思って取り組んでみてください。