今日の一言 1月27日 映画「小学校 〜それは小さな社会〜」について
- 公開日
- 2025/01/27
- 更新日
- 2025/01/29
校長雑感 一隅を照らす
6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、
12歳になる頃には、
日本の子どもは“日本人”になっている
日曜日に映画を観にいきました。
https://shogakko-film.com/
映画「小学校 〜それは小さな社会〜」
コロナ禍の“ある”一年間、東京都の世田谷区の小学校の1年生と6年生の日々を記録したドキュメンタリータッチの映画です。
海外で評判になっていると言われて、気になっていましたが、旧知の校長仲間から薦められて・・・。
******
私は、2014年度から2023年度の9年間、大阪市立の小学校の校長でした。
小学校での日々の活動や学習を通して、ピカピカの1年生が学校に慣れていく過程や、6年生が卒業に向かってどんどん成長していく驚異的な様子を見てきました。
学校の先生にとって、毎年ほぼ同じ学習・活動が繰り返されるこの1年間も、子どもたちにとっては、ドキドキ・ハラハラの初めての体験だらけ、チャレンジ・冒険の1年間です。
毎年同じようなことを繰り返しているようでも、子どもたちが違えば、先生たちも、実は!子どもたちと一緒になってドキドキ・ハラハラするのです。毎年毎年が新しく、毎日毎日が挑戦であり・冒険の日々でもあるのです。そして、毎年、卒業式では、6年生の担任の先生が大泣きするのでした。
****
驚きました。
この映画の中の、世田谷の小学校の1年間の様子は、大阪の小学校とほとんど同じなのです。子どもたちへの先生たちの声がけ、活動の目的から内容(入学式・運動会・委員会活動・宿泊行事・給食・卒業式)何から何まで同じでした。
1年生の子どもたちを見守り、受け止める先生の暖かな視線や必ずしゃがんで話をする姿勢。
6年生の子どもたちには、時に厳しく要求し指導するけれど、もう少し子ども扱いしてもいいのかな・・と葛藤しながら、卒業式を迎える先生。
他にも様々なシーンで、共通した子どもたちと先生の成長の毎日が描かれていました。
その一つ一つに、日本の小学校の教育の本質が見えてくるようでした。
****
東京・世田谷の小学校と大阪・天王寺と平野の小学校が同じなら、堺の小学校や全国の小学校も同じなのかもしれません。
11年前、27年間暮らしていたドイツを引き上げ、日本に帰ってきました。
日本の教育の素晴らしいところを変えてはいけない!という強い想いがあったからです。
今でもその想いは変わっていません。この映画が、なぜ海外で驚きと賞賛をもって向かい入れられたのか?日本の教育は、とかく批判的に語られます。自己を省みることは大切です。しかし、風土や人々が異なる国と比較して、違う物差しで、自分たちを否定的に見てしまうのは、どうかなと思います。
****
私たちひとり一人が社会を作っています。私たちひとり一人の規範意識や道徳心や向上心などは、どこで培われてきたのでしょうか?このままの学校でいいのでしょうか?変えたほうがいいのでしょうか?
もしお時間があれば、この映画を見ていただき、お話ができたらいいですね。
(同じ日に、もう一本観た映画があります。こちらも秀逸な作品でした!)