堺市立新浅香山小学校

2月13日 児童朝礼

公開日
2023/02/13
更新日
2023/02/13

最近の活動(学校行事など)

今朝の校長先生のお話は、大人の方にもぜひ読んで考えてもらいたい内容なので、少し長いけれど全文を紹介します。

今日は「正義の反対は、もうひとつの正義」という言葉についてお話します。
先日、学校のポストが古く錆びついているので、買い替えたいと思って近所のホームセンターへ下見に行きました。店内を探してもポストが見つからなかったので、通りがかった若い店員に「郵便ポストは置いていますか?」と聞くと、即座に「置いていません」という返事が返ってきました。せっかく来たのに仕方がないとあきらめて帰ろうとしましたが、念のためにスマホで調べてみると、そこのホームセンターオリジナルのポストが何種類か掲載されていました。それなら取り寄せができるかもしれないとサービスカウンターに行って聞くと、「ポストなら何種類か置いていますよ」との返答。その人に案内されて行くと10種類くらいのポストが普通に並んでいました。
あの若い店員、アルバイトで分からないから適当に「ない」って言ったんやなと思って、見つけたら注意しようかと思いましたが見つかりませんでした。
帰ってその話を妻にすると、「ポストを買うんじゃなくて、郵便を出すためのポストを探していると思われたんと違う?」と言われて、私の「郵便ポストは置いていますか」という質問は二通りに取れるんだ。なるほどそういうことかと自分の勘違いに気づいて、若い店員に注意しなくて良かったとほっとしました。
そしてその時、以前ネットで知ったこの言葉を思い出したのです。校長先生は自分の考えが正しい、つまり正義で、ポストがないとうそを言った店員が悪い、つまり悪だと決めつけしまったのです。しかし若い店員にとっては「郵便を出すためのポストは、この店の周りにはありませんよ」という親切、つまり「もうひとつの正義」があったのです。
人間関係のトラブルの多くは、こういう所に原因があるんですね。ついつい人間は自分が正しいと思い込んで、意見が合わなかったり、自分の思い通りに動いてくれなかったりしたら、イライラしてしまいます。そんな時、相手にも「もうひとつの正義」、別の思いがあるのかもしれないと考えることで、人間関係はずいぶんスムーズになるのではないかと思いました。