3/17 卒業式 式辞 〜校長より〜
- 公開日
- 2023/03/17
- 更新日
- 2023/03/17
学校
6年生のみなさん ご卒業おめでとうございます
卒業式の朝、空は少し薄曇り。空は皆さんとの別れに涙をこらえられないかもしれません。でも大阪の桜は21日に開花予定。皆さんが予備招集で中学に行くときには、きっと桜が花を咲かせて出迎えてくれますから、楽しみにしていてください。
さて、新型コロナに翻弄された3年間でした。6年生にとっては小学校生活の半分をマスクで過ごしていたことになります。こんな当たり前ではない3年間を過ごしたからこそ、学校にとっても、これまでの「当たり前」を考え直す機会となりました。ぜひ皆さんも当たり前について考えてみてください。
そもそも、卒業式があるのは当たり前ですか。実は、去年の卒業式は新型コロナの感染拡大により学年閉鎖となり、延期されました。卒業式ができなくなるかも、とも思いました。卒業式が当たり前に行われるには、健康でなければならない、多くの工夫をしなければならない、そして保護者をはじめとする多くの人の協力が必要なのだということがわかりました。今日、卒業式を行えたということに対して、決して当たり前だとは思わないでください。
また、皆さんが6年生になれたのは当たり前ですか。10年前と比べて皆さんは大きく成長してきました。でもそれは、自然に成長してきただけではありません。10年後に同じように成長しているかというときっとそうではないのです。人生の中でも最も大きな成長が今の皆さんを作ってきたのです。これまでの日々の学習や努力が今の皆さんを作り上げてきたのです。6年生になれたという、今の成長は当たり前ではありません。自分は成長できた、そしてこれからも成長できる存在なのだという自信をもって過ごしてください。
そして、皆さんが勉強するのは当たり前ですか。実は、つい先日、対話型人工知能AIのチャットGPT4が開発されました。このAIは人と同じように文章を作り、頭脳は司法試験、弁護士の試験に合格するかもしれないレベルです。でもこんなコンピュータには負けないでください。コンピュータを扱うのなら、コンピュータに操られる召使になるのでなく、操るマスターになってください。ただ、これからの時代は知識があるだけではコンピュータに負けてしまいます。これからの皆さんが身につける本当の賢さとは、人の間で学び、身につけること。互いを思いやる優しさ。一緒に行動する連帯感。人の役に立つ使命感などが学びとなっていくのです。みなさんは人の間と書く「人間」なのですから。
勉強は「当たり前」というのではなくて、学び続けなければならないという強い意志をもっていてください。
さあ今日は卒業の日、皆さんの人生の中で一つの区切りをつける日です。新たな成長をスタートさせる日です。小学校で学んだことを自信にし、成長してほしいと願っています。皆さんの活躍に大いに期待をしています。
さて、改めて保護者の皆様、本日は本当にご卒業おめでとうございます。保護者の皆様には、学校での子どもたちの姿が身近に感じられなかったという思いもあったことでしょう。本当にもどかしい思いをさせてしまって申し訳ありませんでした。子どもたちが健康で元気に成長するように支えていただきありがとうございました。大きく、賢く元気に成長した子どもたちですが、まだまだ成長途中の、発展途上の子どもたちです。これからの成長を温かく見守ってあげていただきたいと思います。あとわずか6年後には18歳となり、成人として認められるこの卒業生たちは、「未来の大人」です。子ども扱いすることもまだまだあるかもしれませんが、多くのことを語り、未来の大人としていろんなことを伝え、多くのことを託してやってください。新しいことに挑戦させ、失敗を許し、温かく見守っていただきますようお願い申し上げます。
最後に、保護者の皆様にはこれまで本校の教育活動にご理解ご協力いただいたことに改めて感謝を申し上げます。そして、本日ご参加いただいた来賓の皆様をはじめとして、あえて参加を控えていただいた地域の皆様、ご協力いただいた諸団体の皆様にも感謝を申し上げ式辞とさせていただきます。
令和5年3月17日
堺市立三宝小学校 校長 安原 巧