問題解決学習29〜話題を焦点化する〜
- 公開日
- 2022/10/18
- 更新日
- 2022/10/18
鳳小の問題解決学習
4年生の算数です。(ア)20cmから60cmにのびるゴムと(イ)40cmから80cmにのびるゴムはどちらがよくのびるかを考えています。
板書に書かれているように,(1)アのゴムがよくのびる,(2)イのゴムがよくのびる,(3)「どちらも同じ」の意見に分かれます。(1)の根拠は,アの長さが3倍になっているのに対してイは2倍にしかのびていないことです。(2)の根拠は,イは最長で80cmにもなっていることです。(3)の根拠は,どちらも40cmのびていることです。根拠を明確にしたところで,(2)は否定され,(1)と(3)の意見に分かれます。
そこで,(1)の考えと(2)の考えのどちらが正しいかを,それぞれのチームに分かれて話し合っています。「何倍」が問題なのか「何cmのびたか」が問題なのか,話題が焦点化され,子どもたちは自分たちの考えを根拠づけるために意欲満々です。最後は,数値ではなく,図で表すことで(1)を根拠づける意見がでました。
子どもたちの考えを全体交流する中で,話題を絞り,焦点化していくのは教師の大切なスキルです。焦点化によって,考えるべきことが明確になり,意欲も高まるので全員参加の授業に近づくことができます。
一方,この授業のように,2択,3択の考えに絞ると,自分の考えに固執し,相手を納得させることのみに意識が向くことがよくあります。この授業では,友だちの考えを聞いて自分の考えが変容した子どもを「素晴らしい」と評価し,みんなの前で取り上げていました。このような学習が,自分の考えをもち,友だちと議論しながら自分を高める子どもを育てていくのです。